本と科学と尊みと

本のこととか科学技術のこととか趣味のこととか書きます

警察密着なTV番組は、安心して悪者を非難する、という娯楽でもあることを自覚しておきたい

警察にTVカメラが密着して、事件解決やら職務質問やらの一部始終を撮影し、放映する、という種類の番組があります。

 

人気があるのか、定期的に各局で似たような番組をやっているのですよね。

わたしもちょくちょく見るのですけれど、こういう番組を見ているときの心理、ちょっと独特な危ういものがあります。

 

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番組に出てくる犯罪者は、疑いようもなく悪者

番組に出てくるのは、たいてい、警察官と犯罪者です。

それはもう、決まりきっています。

だから、警察官が職務質問をしている相手は、かなり高い確率で犯罪者です。

 

だから、この番組を見ているときには、無意識にこんなことを考えているものです。

  1. 職務質問されているこいつは悪者だ。
  2. 悪者ということは、非難や軽蔑されたりされてしかるべき人物だ。
  3. わたしも、こいつを非難したり軽蔑したりして大丈夫だ

 

変な言い方ですが、犯罪者ということがほぼ確定しているのですから、安心して非難したり軽蔑したりすることができちゃうのですよね。

 

勧善懲悪なエンターテインメントの心理

ここに、ちょっと危うさがあるかなぁ、とおもいます。

誰かを軽蔑したり非難したり、というのは、自分が相対的に「上」の存在だと感じることができて、気持ちがいいものです。

ただ、その気持ちよさは、あくまで相手を「下」に置くことによるものでしかなくて、自分が偉くなったり成長したりした結果ではないのですよねー。

 

特に、この手の番組で犯罪者を避難するのはノーリスク。

「安心して悪者を非難・軽蔑する」なんていう、ちょっと倒錯した心理状況が生まれちゃいます。

 

それを自覚せずに、その気持ちよさに慣れてしまう、と、「悪者」を探してネットやら現実世界を探索して、安心して「悪者」を攻撃するための口実を探す、なんて行動につながるかもしれません。

これは、わたしとしては、あんまり健全ではないなぁ、と感じます。

 

だから、勧善懲悪なストーリーを楽しむのも良いのですけれど、そういう心理の働きを少し意識しておくと、ちょっと健全な思考ができるかもしらん、と考えるわけです。

 

 

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